レモンマリーゴールド(香りの記憶)
レモンマリーゴールド(香りの記憶)
おはようございます。
たぶんレモンマリーゴールドです。
冬の冷たい風が吹き抜ける道端で、そこだけ春が残っているような鮮やかな黄色を見つけました。
遠目にはコスモスのようにも見えましたが、近づいてみると様子が違います。レースのように繊細に切れ込んだ葉がこんもりと茂り、その上に無数の小さな黄金色が散りばめられています。
写真を撮ろうとして、うっかり葉に手が触れた瞬間でした。はっとするほど爽やかな香りが、ふわりと立ち上りました。それは花の甘い香りではなく、もぎたてのレモンやライムを皮ごと絞ったような、目が覚めるほど鮮烈な柑橘の香りです。
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夏の花壇でよく見かけるマリーゴールドの仲間ですが、こちらは寒さに強く、花の少ない晩秋から冬にかけて見頃を迎えるそうです。
可憐な見た目に反して、その生命力はとてもたくましいのだとか。葉から放つ強い香りは、本来は動物や虫から身を守るための鎧のようなもの。厳しい冬の自然の中で生き抜くための知恵が、私たち人間には癒やしの香りに感じられるというのは、なんだか不思議な巡り合わせです。
帰り道、ふと手を鼻に近づけると、まだ指先に微かな香りが残っていました。寒空の下で偶然受け取った、自然からのささやかな贈り物のようで、冷え切った身体が少しだけ温まるのを感じました。
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