ナンテン(冬を灯す赤)
ナンテン(冬を灯す赤)
おはようございます。
たぶんナンテンです。
冬の曇り空の下、そこだけ絵の具をこぼしたように鮮やかな赤色が目に飛び込んできました。
近づいてみると、艶やかな赤い実がブドウの房のように重なり合い、枝がしなるほどたっぷりと実っています。その一粒一粒が、内側に光を溜め込んでいるかのように輝いていました。
周囲の草木が色を失っていく季節だからこそ、このあざやかさは衝撃的です。背景にある濃い緑色の葉が、その赤色を一層くっきりと際立たせ、冷たい空気の中で熱を帯びているようにさえ見えました。
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ナンテンの実は、冬の間も長く枝に残ります。
この鮮烈な赤色は、鳥たちに見つけてもらうための命の色だそうです。食べ物が少なくなる冬、鳥に実を食べてもらい、種を遠くまで運んでもらう。そのために、これほどまでに目を引く色を纏っているのだとか。
静かな冬の道端で、誰に見られるためでもなく、けれど確かな意思を持って輝くその姿。その力強い色彩は、見ているこちらの心にまでポッと灯りをともしてくれるようでした。
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