ゼラニウム(香りの結界)
ゼラニウム(香りの結界)
おはようございます。
たぶんゼラニウムです。
乾いた冬の光の下、そこだけが熱を帯びているような、目の覚める赤色が揺れていました。いくつもの小さな花が集まって球を描き、緑の葉の上に浮かんでいます。その葉もまた個性的で、ビロードのような微細な毛に覆われ、中心を囲むように暗い色の帯が走っています。観察しようと顔を寄せたとき、ふいに衣服が葉をこすりました。その瞬間、立ち上る強い香り。甘美さとは無縁の、青くスパイシーで、どこか土の湿り気を感じさせる野性的な匂いです。
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この独特の芳香は、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、植物が身を守るための強力な武器でもあります。遠い異国の石造りの街で、窓辺にこの花が飾られる風景をよく見かけますが、あれは「虫除け」であり、転じて「魔除け」の意味も込められているのだそうです。美しい花を愛でると同時に、家の中に災いが入らないよう、香りの結界を張っていたのでしょう。そう思うと、この少し癖のある匂いさえも、私たちを守ろうとする意思の表れのように思えてきます。鮮やかな赤は、静かに境界線を守る番人の色なのかもしれません。
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